2023年2月の星空を撮る

揖斐谷では冬の足音がやってくると共に星空が見られなくなる。12月のふたご座流星群、1月のしぶんぎ座流星群を観望・撮影することは、まず諦めなければならない

年によっては2月になっても連日の降雪を覚悟するが、運が良ければ雪が解けて春の足音が感じられるようになる

1年の運試しといったところだが、さて今年はどんな星空と出会えるだろうか




今年初めての夏の天の川







写真展会場で来場者の方とお話ししているとさまざまな質問をいただく。一番多いのが天の川を指さして「これは何ですか」というもの
「天の川ですよ」と答えると、必ずといっていいほど次に「肉眼では見えないのでしょ」と尋ねられる
先日のぎふチャン・アートギャラリー写真展会場でも来場者の方から、「生まれて一度も天の川を見たことがないんですが、日本では見られないのでしょうか」と尋ねられた

「光害の少ないところで、新月の頃、快晴の夜であれば見られるチャンスはありますが、天の川は四季を通して同じように見られるわけではないんですよ」と天の川銀河の構造を話してはみる。話しながら確かに世界の各地から天の川を見られたらどんなにかいいだろうと思ったりした。残念ながら私には絶対に叶わないだろうなぁ

それはさておき、
天の川が見られるかどうかが星空環境を測る一つのバロメーターであることは間違いない。天の川が見られることと光害の関係については、また別の機会に


せっかくの快晴の夜だが、上弦の月が明るく照らす。月没を待って、早朝4時から5時くらいなら星空が撮れそうと踏んで3時過ぎから撮影の準備に入る

今年初めての夏の天の川が東の空に横たわった
眠気が吹き飛んでいくから不思議だ




20mm、ISO400、f2、140秒、長秒時ノイズリダクションon、高感度ノイズリダクションoff、1枚撮り、ソフトフォーカスフトルター使用、赤道儀で恒星追尾撮影
SONY α7RM5 + FE 20mm F1.8 G

2023年2月28日04時18分 揖斐谷








宵の明星に接近する三日月と木星

- 岐阜市 -







祝日の木曜日。岐阜駅周辺には人は少なく、閑散としている。おまけに朝から一面の雲
朝8時から無人のギャラリー在廊に疲れて、ロビーの机で勉強を始める。今日は早く帰ろうかと思いながら外を見ると、雲が切れ始めた。これなら撮れるかもしれない


岐阜シティータワー43の最上階へ上がり日没を待つ。西の山際の雲は無くなりそうもないがまずまずの天候
日の落ちた空に地球照を伴う三日月と木星が浮かび、その下にはひときわ明るい金星が輝いた。夜景と天体のコラボはまるで映画の世界を見ているように美しい。諦めなくてよかった

ぎふチャン・アートギャラリー写真展は3月25日まで開催。観覧の際はぜひ最上階の展望室へ上がってみてほしい。金華山が見える北展望室に目が向きがちだが、西展望室もおすすめ。ただし室内の照明は明るく、映り込みを防ぐ対策が必要



20mm、ISO800、f2、1/30、手持ちで撮影
SONY α7M4 + FE 20mm F1.8 G

2023年2月23日19時13分 岐阜市






木星との大接近を控えた宵の明星

- 岐阜市 -








ぎふチャン(岐阜放送)本社スタジオからラジオの生出演を終えて空を仰ぐと雲が切れかかっていた
撮れるかもしれないと、岐阜シティータワー43の最上階の展望室まで上がってみる

西の山際には夕焼けと、ひときわ明るく金星が輝いていた
その上にはときおり雲間から木星も姿を見せていたが、雲が多くて一緒には撮れなかった

まもなく金星は木星との大接近を迎える
ギャラリーの在廊を兼ねてまた訪ねるとしよう



46mm、ISO400、f2.8、1/20、手持ちで撮影
SONY α7M3 + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2

2023年2月15日17時58分 岐阜市